クリスタルのリキュールセット
今回、タイミング良くフランスからの仕入れでオールドサンルイのリキュールセットが到着しました。
前回のブログで「Downton Abbey」をご紹介したのですが、そのドラマの場面に合う作品なのでご紹介いたします。
そもそもリキュールセットって現在ではあまり使用しないのでイメージしにくいかもしれませんよね。
なので、今回はリキュールセットとはどのような場面で使われてきたのか…ということをお話ししたいと思います。
リキュールは甘みが強く、あまりストレートで飲むという印象がありませんが、17世紀のヨーロッパでは、「老化防止」「消化促進」の効果があるとされ、王が製造を推奨し、医薬的な効果を信じ広まりました。
18世紀には、貴婦人にも愛されるようにり、ジュエリーや衣服のコーディネイトと同じように、「飲む香水」としてリキュールを選ぶようになります。そして社交界でのリキュールの演出をさらに魅力的にしたのがクリスタルで作られたリキュールセットとなります。
ヨーロッパでは、お客様をディナーに招待する場合、前菜から始まり、スイーツで終わるコースを済ませると、サロンとよばれるソファーなどがあるお部屋へ移動して、そこでリラックスしながら食後酒やリキュールなどを楽しみより会話が弾む時間としています。
社交界など場では、男性のみが葉巻を吸いながら政治や深刻な話をする時間でもありました。
その時に、持って移動できるようにリキュールセットには基本的にトレーがつき、また、お客様をおもてなしするために、デザインには特にこだわってオーダーされることがおおく、各メーカー、それぞれとてもおしゃれな作品を手掛けています。
バカラ社は、ジャポニズムデザインなども多く手掛けておりますが、サンルイは王室御用達ということもあり、流行に流されることなく、下記のような上品なデザインが多いです。
↑1908年のサンルイ社カタログレゾネ
↑1930年のサンルイ社カタログレゾネ
※1930年のカタログレゾネの上部にある赤いセットは
ポルト酒(ポートワイン)用のセットです。
ゲストを楽しませるためにオーナーは多種多様に注文をしたため、いつしかコレクションアイテムとしての対象となっていたリキュールセット。
今では飾っていただいてお部屋の装飾美として楽しまれる方が多いのかもしれません。
アンティークならではの贅沢なセットをぜひご堪能くださいませ。
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