装飾が美しい蓋物
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【WEDGWOOD-Jasper ware】
装飾が美しいボックス
前回にも小さな蓋物をご紹介いたしましたが、続いても珍しい蓋物のご紹介。
アンティークのお品はすべてが出逢いなので、Antique Serendipity ではその作品にまつわるお話も一緒にご紹介したいなぁ…と日ごろから考えています。

ウエッジウッドのアンティークで今回のような長方形型の蓋物は時折見つけます。
マッチを入れたり、小物を入れる入れ物として作られましたが、四方が周りが丸みを帯びているもは少ないのではないかと思います。
そして今回の作品がどうして特別レアなのかというと、それは後ろのバックスタンプにあります。
「WEDGWOOD」の文字と「ETRURIA」という文字。

この「ETRURIA」は1840~1845年のみの作品につけられていたとのことなので、その年代の制作かと一瞬思ったのですが…
しかし、他に「ENGLAND」の文字もみることができます。
輸出先の主要国であるアメリカが製造国表記を義務づける"THE MCKINLEY TARIFF ACT"という関税法に対応するためにつけられた「ENGLAND」。
1891年から「 ENGLAND」が入り始めるので、「ETRURIA」と同時に入るのはおかしいことなんです…
そもそも「ETRURIA」とは何を意味しているのか…
それはジョサイア・ウエッジウッドが移転した工場につけた名前なんです。
1769年に開業したエトルリア工場で彼が目指したのは、「エトルリアで芸術が生まれ変わる」というものでした。
実際に、この工場で彼はブラック・バサルト(Black Basalt)を開発、その後にジャスパーウェアを開発、そして今日のマークにつながるポートランドの壺を制作します。

イギリス WEDGWOODミュージアムにあるポートラドの壺(複製)
ETRURIA工場で、ジョサイアは「芸術の域を超える作品作りの研究」に時間を費やし、後世に残るラインや作品を作ることに没頭したのではないでしょうか…。
そんな工場は150年続いたのですが、「ETRURIA」がマークとして付けられたのは1840~1845年の5年間のみ。
しかし、時折オーダーなどによりエキストラでつけることがあったことがウエッジウッドクラブの話で分かっております。
今回の作品は1891~1908年の作成で、そのエキストラに対応したもののようです。

横サイドの1cmほどに愛らしい天使が楽し気に演奏しています。
どの装飾も大変細かく、この蓋物にジョサイアが目指した「芸術性」を感じてしまうのは私だけでしょうか…
今でしたら、ジュエリーボックスなんかに使用していただくことができますよ(^^♪
こんな蓋物にピアスやイヤリングがはいっていたら、お出かけ前に気持ちが弾みそうですね!
※エトルリア…ローマ帝国以前にイタリアを支配していた民族の名前
その民族の陶器の壺が発掘され、ジョサイアが魅了されものづくりにヒントとなります。
~下段へスクロールしていただくと、画像をご覧いただけます~
Size |
:W9.5×5.0cm H2.5cm |
制作年代 |
:1891~1908年 |
マークの有無 |
:裏 WEDGWOOD ETRURIA ENGLAND |
作品状態 |
:良好 |
仕入れ先と時期 |
:アメリカ 2021.7月頃 |