フェストゥーン文スピルべース
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【WEDGWOOD-Jasper ware】
フェストゥーン(花綱)レリーフが美しいスピルベース
1891~1900年頃のアンティークウエッジウッドの花瓶を入荷いたしました。

本作品は「Spill Vase-スピルベース」と言われ、本来は2本対になって作られています。
当時は花瓶として使われていたのではなく、暖炉などの点火用のこより(木片-下図)をいれて暖炉の上などに置かれていました。

暖炉の活用も少なり、近代のウエッジウッドの図録でも花瓶として使用してますが、名前は「Spill Vase」の表記のまま作られています。
書籍‐THE PRESTIGE WEDGWOOD-より
今回の花瓶は100年以上の時を過ごしてきたにも関わらず、大変美しい状態で残っていました。
アンティークのジャスパーは、素材の性質から欠けていたり汚れがひどかったりしているのが多いのですが、Antique Serendipity ではできるだけ美しい状態の作品を探すようにしております。

古いレリーフに見られる陰影を作る透明感や、細部の細やかさ…
今では表現できないのかもしれませんね。
羊の角にかけた花綱:
作品名にしたフェストゥーン(festoon)とは、さまざまな草花や果物の束を左右の端を縛って、中央部を垂らした植物文様のことです。”豊穣のシンボル”を表すモチーフで、「花綱(はなづな)文様」「花綱装飾」とも言います。
ジャスパーによくみられるデザインで、今回は、羊の角に花綱をかけています。
古代ギリシャ・ローマでは生贄の羊や牛を花綱で飾りましたが、やがてそれが建築物の装飾となっていきます。
そして、ジャスパーが古代ギリシャ・ローマの時代のモチーフにしたのかも、歴史的な流行と関係があります。
そのお話は、ジャスパーの他の作品でお伝えしていきますね(^^)/
裏には「WEDGWOOD」の窯印以外に「ENGLAND」の文字があります。
輸出先の主要国であるアメリカが何処の国で製造されているかがわかるよう義務づける"THE MCKINLEY TARIFF ACT"という関税法が1890年(明治23年)に制定され、それに対応するためにつけられるようになり、のちに「MADDE IN ENGLAND」へ変更されていきます。
~下段へスクロールしていただくと、画像をご覧いただけます~
Size |
:W6.8cm H14.5cm |
制作年代 |
:1891~1900年頃 |
マークの有無 |
:底 WEDGWOOD ENGLAND |
作品状態 |
:良好 黒いすれあり レリーフ部図参照 |
仕入れ先と時期 |
:ロンドン 2021.8月頃 |