お花のようなボウル&ソーサー
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【Bohemian Antique】
ボウル&ソーサー
とても美しいボウル&ソーサーをご紹介いたします。
薄紫色で描かれた本作品は、まるで一輪の花が咲いたような優美で可憐な器です。

このボウル&ソーサーは、ボヘミアンガラスで高い評価を得ていた「マイヤーズネッフェ(Meyr's Neffe)」やドイツのテレジアンタール(Theresienthal)による作品である可能性が高いと考えております。
特に、マイヤーズネッフェは、その多くの作品が美術館や博物館に収蔵されており、現在でも作品を目にする機会が少ない非常に希少な存在です。
約10年ほど前に、初めてロンドンで見てから、同様のシリーズを長年ずっと探し続けており、思った以上に素敵な作品と出逢うことができました。

上から見た姿も美しい(*´꒳`*)
下図はチェコのプラハ国立美術工芸博物館が所蔵する、1900年頃、Meyr's Neffeによって制作された酒器セットです。

図録には次のように記載されています。
”マイヤーズ・ネッフェ・ガラス工房はアール・ヌーヴォー時代のシュマヴァで最も有名な工房のひとつである。薄手の飲用グラスに繊細な花の絵付けを施したものは、中でも特に見事な出来ばえである。”
ボヘミヤや、ドイツ周辺で花開いたアール・ヌーヴォーの動きは「ユーゲントシュティール」と呼ばれています。
先程の酒器セットや、今回のボウル&ソーサー のように、一輪の花を描くのは、この地域、この時代ならでは唯一無二の表現です。

エナメルで描かれたお花がとても美しいですよね❤︎
近年のエナメル彩色では、こうした淡く薄く色合いを再現することが難しくなってきています。これは、原材料の変化や、化学的に使用が制限された物質の代替えが困難であることが要因とされています。
今回のボウル&ソーサーはアンティークのみに見ることができる美しさと儚さを感じます。

同時期にアール・ヌーヴォー様式の作品を数多く手がけていたテレジアンタール工房も、こうしたデザインを制作していたことから、そちらの可能性や、他のボヘミアンガラス工房による作品という可能性もございます。
この作品は、どの工房のものであるかを特定すること以上に、今なおこうして美しい姿で残っているという事実こそが、非常に稀有で貴重な出逢いであると感じております。
保存状態も非常に良好であり、美術館級の逸品であることは間違いございません。
【マイヤーズネッフェ(Meyr's Neffe)】
1816年、Josef Meyrによって創設されました。後に、息子や甥が後を継ぎ、名称を「J.Meyr's Neffen」と改めます。甥のひとりは、1851年にロブマイヤー創始者ヨーゼフ・ロブマイヤー(Josef Lobmeyr)の娘と結婚し、これを機に両工房は密接に協力関係を築き、1873年のウィーン万博では大きな成功を収めました。
マイヤーズネッフェは優れたデザイン性と技術に定評がありました。
しかし時代の変遷の中、1922年にチェコのモーゼル社に吸収され、その歴史に幕を下ろします。現在では、その多くの作品が各地の博物館などに収蔵されています。
~下段へスクロールしていただくと、画像をご覧いただけます~
Size |
Bowl: W10.5cm H7.0cm |
制作年代 |
1890年〜1910年頃 |
作品状態 |
良好 A 経年による金彩の剥離が若干あります |
仕入れ先と時期 |
アメリカ 2026年6月 |