オパーリンクリスタルガラスのカラフェ
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【French Antique】
バラが描かれてた小さなカラフェ
かわいいバラが描かれたやわらかな乳白色の小さなカラフェは、一見すると磁器のようにも見えますが、実は19世紀末のフランスで生まれたクリスタルガラスです。
しかし、一体どうして透明のガラスを乳白色にしたのでしょうか?
今回は、オパーリンクリスタルガラスの歴史も含めて解説してみようと思います。
時代は、17世紀。
ヨーロッパでは白磁を製造する技術がなく、中国や日本からもたらされる美しい磁器は非常に貴重で、王侯貴族の間で珍重されていました。
その後、1710年にドイツのマイセン窯によって磁器の生産がスタートすると、ヨーロッパの磁器製造が活発になっていきます。
この人気を受け、ガラスでも磁器のような質感を表現しようと試みる動きが生まれます。
そして、ヴェネチアで、ミルクのような白地をガラスで作り出すことに成功します。そのガラスは、イタリア語で「ミルクのような」という意味を持ち、「ラッティモーLattimo」と名付けられました。

(18世紀のラッティモガラス)
驚くことに、これらは全てガラスでできています。

その100年後の19世紀には、フランスでは王立のセーブル窯の反映と共に、愛らしい花柄のデザインなどが描かれた磁器が愛されていました。
そこで、バカラやサンルイ、クリシーといった名門ガラス工房が、磁器のような白色を表現したクリスタルガラスを製造するようになります。
1845年ごろから本格的に生産が始まり、宝石のオパールのような光の透け感から「オパーリンクリスタルガラス(Opaline Crystal Glass)」と呼ばれました。
バカラでは1855年のパリ万博にて、最先端技術であるオパーリンの花瓶を発表しています。

オパーリンクリスタルガラスは、高度な技術と設備が必要であったため、限られた工房でしか作ることができず、非常に高級な品とされていました。
オパーリンクリスタルガラスは、1930年ごろより、その製造の手間とコストの高さから、生産は急速に減少しています。
現在では当時の品が貴重なコレクターズアイテムとなっています。
今回の小さなハンドペイントで描かれたカラフェも、そうした技術によって生まれたものの一つです。
そして、この小瓶、一見すると香水瓶のようですが、「夜用のウォーターセット」の一部としてご紹介したいと思います。
バカラ社の書籍にあるオパーリンガラスのウォーターセット

ウォーターセットとは、大きなカラフェには水を、小さなものにはオレンジフラワーウォーター、そしてセットには砂糖入れも添えられ、寝室のベッドサイドに置かれていました。
小さいながらも、時代の優雅さと職人の技術が詰まったこのカラフェ。コレクションに迎えてみてはいかがでしょうか?
書籍:「西洋アンティークガラスの教科書」
P25 オパーリンクリスタルガラス 技法の説明あり
P37 ウォーターセットの解説あり
~下段へスクロールしていただくと、画像をご覧いただけます~
Size 容量 |
:W75cm H12.6cm |
制作年代 |
1880〜1900年頃 |
作品状態 |
:ストッパーに欠けがありますが、 |
仕入れ先と時期 |
:フランス 2023.6月 |