アール・ヌーヴォーの気品を感じるスプーンセット
アール・ヌーヴォー特有のなだらかな線の流れと、そして、自然美、植物との融合を表現した新芸術の時代を感じることができる美しいティー/コーヒースプーンを入荷いたしました。
当時のフランスで作られたティースプーンは14cm前後と少し大きめなので、現代ではデザートスプーンとしてご使用いただけそうなサイズ感です。
スプーンに咲くのはアイリスの花です。
フランスのアンティークでよくモチーフになっている「アイリス」。
日本では「アヤメ」とも言われますね。厳密言うと、アイリスとアヤメは異なりますが、アヤメや菖蒲、杜若などの総称して「アイリス」と言うようです。
下図のマークをご覧になられたことも多いと思います。
フルール・ド・リス
この紋章は「アイリス」を意匠化していて、古くからフランスの紋章に使われてきています。
詳しく伝えると、ユリ目に属するとされたアヤメ科アヤメ属のキショウブ(Iris pseudacorus)やニオイイリス(Iris florentina)とされるようです。
ニオイイリス
アイリスは、ギリシャ神話の女神「Iris イリスー虹」を由来としています。
このIrisは英語読みは「アイリス」となります。虹の女神Irisの聖花はもちろんアイリス。
女神イリスは虹を神格化した存在として、七色に輝く衣をまとい、大きな翼を持った大変美しい女神です。また、空と海を司る神でもあるため、空に雲を生むために必要な水を海水から得て「虹」となって出現すると言われています。
古代ギリシャ、科学の知識もない中、虹をみて女神を想った。
現代では、いろんなことが科学的に解明されますが、わからない世界での自然現象は、このように神格化していくのでしょうね。
虹は、天上と地上を結ぶメッセンジャーとされるので、アイリスの花にも「使者」や「伝達」「メッセージ」「希望」という意味があるようです。
このスプーンもそんな歴史を伝えるメッセンジャーですね( ´∀`)
キリスト教とも深く関係のあるアイリスは、フランスの国花となります。
国民から愛され、立ち姿と曲線が美しいアイリスは、アール・ヌーヴォー期にはとても多く題材になりました。
今回のスプーンは、スプーンのボウル部分の曲線までも芸術的に表現しているのです。
縁の部分はアイリスの葉の一部として先端までの伸びています。伝わるでしょうか?
伝道師であるアイリスが芸術的に添えられたアンティークのスプーン。
このスプーンにはMinerva1st 純銀 950/1000のマークがついてるのでスターリングシルバーです。
ボウル部分は(ヴェルメイユ)金メッキされています。
【Louis Coignet ルイ・コワニエ】
1865年に開業したCharles-Alfred Coignet工房で活躍したLouisが1889年に自身の刻印を登録しました。1928年まで活動しました。
※6本のセット価格です。
※経年による金彩がスレてる箇所、また汚れがあります。
~下段へスクロールしていただくと、画像をご覧いただけます~
Size |
:Spoon W2.8×14.0cm. H3.3cm
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制作年代
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:1889〜1928年頃
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マークの有無
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:ミネルヴァ 1st 純銀950/1000 :Louis Coignetマーク
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作品状態
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:良 金彩のスレ/若干の汚れ有
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仕入れ先と時期
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:フランス 2023.4
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